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    世界の工房から VOL.015


    ドイツが世界に誇る『マイスタークォリティ』

    ドイツが国として誇れるドイツブランドを世界に発信していくために始めたマイスター制度。長年の修行と厳しい試験を切り抜けた者だけに国が認める、その分野において職人の最高位の証となっています。
    マイスターの起源は今から約800年~700年前にさかのぼると言われています。ヨーロッパ、中でもドイツでは中世都市が栄え、手工業者の間で次第に、徒弟、職人、そしてマイスターという三つの身分ができあがっていきました。イタリアでいえば「マエストロ」、日本ならば「親方」というように、手に職を付けるために丁稚奉公から始め、親方の下で職人の腕を磨き、一人前になったら独立する、というのは昔からどこに国でも存在している形かもしれませんが、それを遵守すべき制度として定めたのはドイツが初めてのようです。

    今回は、そんなドイツの“マイスター制度”と、マイスターによるバッグ作りが行われるドイツ・PICARDのものづくりについてお伝えします。

    手工業に関するものだけで、93職種の“マイスター”が存在

    金属加工のマイスターや、ガラス細工のマイスター、眼鏡技師のマイスターなど、一口に“マイスター”といっても、その職種は多岐にわたります。例えば、ベーカリーのマイスターとケーキのマイスターが別々に存在するほど。
    制度の上でも、“マイスター”が非常に専門性の高い存在であることがうかがえます。

    マイスター資格がないと開業できない?

    手工業のなかでも、定めれれた41業種は、国家試験に合格してマイスターの資格を得なければ、独立して開業することはできないし、徒弟(職業訓練生)を指導する教育者にもなれません。ベーカリーのマイスター資格がなければ、パン屋を開けないのです。
    この41業種は、技術の習得が困難であったり、第三者の健康や生命に危険を及ぼす恐れがある等の理由から定めれれているのだとか。少し厳しいようにも感じますが、“品質の維持・向上”というマイスター制度の本質が垣間見えるようです。

    熟練マイスターに支えられてきた、PICARDのマイスタークォリティ

    現在のマイスター制度が始まった頃から、その制度づくりに熱心に取り組んできたPICARDは、ドイツ国内でバッグのマイスターと言えば、その名前がすぐ出てくるぐらい、国内でも信頼の厚いブランドです。また、ドイツ・オッフェンバッハにあるPICARDの自社工房は、国に選ばれた、マイスターの最終試験を受けられる数少ない工房にもなっています。
    マイスター制と認められたブランドは、ドイツが国として認めるクォリティのブランドであると保証する刻印を押されたようなもの。国家が認めるマイスターが何人もいて、若手にその高度な技術を伝えながらPICARDのバッグの安定的なマイスタークォリティを保ち続けています。

    「信頼できる自社工房でしか作らない」創業当時から変わらぬポリシー。

    「大丈夫だよ!だって、マイスターがいるからね!」PICARDの当主のセリフに自然と出てくるほど、頼りにされている存在のマイスター。 マイスターに任せておけば間違いない。その安心感と信頼から、PICARDのバッグは「自社工房でしか作らない」という強いポリシーを貫いています。 製造を他社のメーカーに任せず、自社工房だけで作る。それは自ら守り続けてきたマイスタークォリティに自信があるから出来ることかもしれません。

    次代のマイスターを育てる工房づくり

    マイスター制度の発展とともに歩んできたPICARDの工房では、現在も脈々とその文化が息づいています。マイスターになるには、5年の就労経験と2年間働きながらマイスターの学校に通うことが必要です。さらに、その後マイスター試験にも合格しなければ、マイスターとは認められないのだそう。修行は16歳になったときから始まり、マイスターと認められた職人は、世界中のPICARDの自社工房に出向き、バッグづくりを伝えていきます。長年脈々と受け継がれてきたマイスター制度のもと、PICARDの工房では、熟練の職人が若手の職人にバッグづくりを教えている姿が日々当たり前のように見受けられます。

    良質な革が手に入りやすい産地の近くで、ドイツ国内と変わらぬマイスタークォリティを。

    『革の特性を知り、デザインし、裁断する』『革の保管庫が一番だいじな場所なんだ』という言葉が聞こえてくるほど、PICARDでは革づくりににこだわり続けてきました。そんなPICARDだからこそ、良質な原皮が手に入りやすい産地の近くを選び、自社工房を作ってきました。良質なレザーを求め続けた結果、自然とこういう形になったという、PICARDの工房づくり。各地の工房でもマイスターの指導のもとバッグづくりが徹底されているため、ドイツの国外であっても、ドイツ国内の工房と変わらぬクォリティを実現しています。