【erutuoc】世界の工房から26
世界の工房から VOL.026
クラッキングレザーの世界
“味”のあるヴィンテージ感やモザイク画のような繊細な表情など、一目で独特の世界観に引き込まれるクラッキングレザー。
一口に「クラッキング」といっても、加工の仕方で、緻密なデザインにも荒々しい雰囲気にも、アンティークのような風合いにも見え方が変わります。やわらかな印象の天然皮革に、あえてひび割れや凹凸を施すことで、一目でそれとわかるような印象的な仕上がりが生まれます。
今回は、そんなクラッキングレザーの世界をご案内。独特な風合いをデザイナーや職人がどのようにいかしていくのか、お楽しみいただければ幸いです。
クラッキングとは?
「クラッキング」とは、レザーの表面加工の一種で、表面にあえてキズやヒビ割れ(クラック)を施したもの。ただし、その多くは革に直接キズをつけるのではなく、表面加工を施した上からキズをつけます。例えば、革の上に顔料を厚く塗り、伸ばしたり、揉み込んだり、引っかいたり。時には、ハンマーで叩いたりなんてことも。
このような工程を経て完成するレザーは、独特の質感とともにランダムな仕上がりも楽しめるなど、革を仕立てるタンナーそれぞれの個性が出てきます。他にも、実際にクラッキングを施すのではなく、凹凸のあるフィルムを用いてデザインを形にしたものもあります。
今回は、その中でも天然皮革にクラッキングを施したものをご紹介。表面にはレザー本来の質感が表れにくい加工方法ですが、手に持った時のフォルムや柔らかさなど、デザイナーが大切にしたいもの、表現したいものを素材から考えて仕上げています。
古い地図に、ロゴのスタンプを押して。
港町・神戸発のバッグブランドATAOの定番であるichimatsuラインとはまた一味違う魅力のdoodle(ドゥードル) ライン。使われているのは、デザイナーがキャンバスに手描きでえがいたichimatsuのイラストをピッグスウェードに乗せ、表面をクラッシュさせたレザーです。レザーの上にフィルムを施し、表面を揉みこんでクラッシュさせ、さらにヤスリでこすって仕上げるという大変時間と手間をかけて作り上げられました。くったりと馴染んだ質感はまるで、ヴィンテージ物のジーンズのよう。
なめしたレザーの上にフィルムを乗せて揉みこんでいるので、表面はちらちらと淡く輝き透明感があります。また、ヤスリをかけることでステンドグラスのような細かな溝ができ、色味になんともいえない奥行きが出てきます。クラッキングを施したあと、最後に乗せるのがアンティークテイストに仕上げたロゴスタンプ。古地図を思わせるレザーの上の、ところどころ消えかかったスタンプは、昔押された何かの暗号のよう。ヴィンテージなムードが漂うATAのオリジナルレザーで仕立てたトートバッグです。
【ATAO】ステンドグラスのようなレザーのトートバッグ
ichimatsu doodle dino(ディノ) はこちらから>>
花模様のモザイクのフィルムと、凹凸のあるホワイトのフィルムを重ねて。
まるで光が香りをまとったみたいに色づいて。淡いパープルの色ガラスをすり抜けたなら、たとえば、「恋の花」と呼ばれるヘリオトロープの甘い香りがふわり。ほのかな香りをまとって、より一層、光ゆらめく。
ファスナーをなくすことで、ラフに使えるロングウォレット・Seraシリーズに、FRUTTI DI BOSCOのデザイナー選んだのは、細かなモザイク模様をベースに、特殊なフィルムを重ねて描き上げた希少なレザー。
イタリア・ミラノで、パーティーシューズなど、エレガントなアイテムのためのレザーを得意とするタンナーが、FRUTTI DI BOSCOのデザイナーに見せてくれたのが、このアートレザーClarice(クラリス)でした。ハリのあるゴート(ヤギ革)の上から、花模様のモザイクのフィルムと、凹凸のあるホワイトのフィルムを重ねて。この色使いや質感から、ほんのりオリエンタルな雰囲気も感じさせる、豊かな表情。とても繊細な工程を経て完成するレザーだけれど、多く語れば語るほど、この魅力が伝わらない気がして…、あえて言うなら 「 この質感は、どこも真似できない 」 ということ。タンナーの高い技術と、想いの詰まった希少なレザーをお楽しみください。
【FRUTTI】光と香りを閉じ込めた希少なレザーでお仕立てする、ラフに使えるウォレット
Sera Clarice(セーラ クラリス) はこちらから>>


































































